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note:
AIが今のようなブームになる前は、囲碁や将棋など限られた分野だけの話題のように感じていたことを思い出しました.
そもそも論理的一貫性がAIの特徴であり、「間違わない」という点が特徴だったと思います.
ところが現在のLLMは間違いだらけ.というわけで、従来のAI開発はどうなったのか、今後どんな風に改善されていくのかと思ってClaudeに聞いてみました.ハルシネーションは例によってチェックしていませんので、ご注意を.
従来のAI研究はどうなったのか?
あなた:
現在、AIと言えばあなたがたtransformerをベースに開発されたLLMが全盛ですが、従来のAI開発は記号論理学をベースにした計算を原則にして進められていたと理解しています.この理解についてご意見をお願いします.
Claude:
ご質問ありがとうございます。あなたの理解は概ね正確です。AIの発展における二つの大きなアプローチについて説明させていただきます。
記号論理学に基づくAI(従来型): これは1950年代から1980年代にかけて主流だったアプローチです。人間の思考をルールや論理で表現し、それをコンピュータに実装することを目指しました。例えば、エキスパートシステムや論理プログラミングなどがこのカテゴリーに入ります。
長所:
結果の解釈が容易
特定のドメインでは高い性能
短所:
複雑な現実世界の問題に対応するのが困難
ルールの設定や更新に多大な労力が必要
機械学習、特に深層学習に基づくAI(現代型): 2010年代以降、大量のデータと計算能力の向上により、ニューラルネットワークを用いた機械学習、特に深層学習が主流となりました。Transformerアーキテクチャを用いた大規模言語モデル(LLM)はその代表例です。
長所:
複雑なパターンの学習が可能
様々なタスクに適用可能な汎用性
短所:
大量のデータと計算資源が必要
モデルの判断過程が不透明(ブラックボックス問題)
現在のAI研究では、これら二つのアプローチを組み合わせる試みも行われています。例えば、ニューロシンボリックAIは、深層学習の柔軟性と記号論理の解釈可能性を融合しようとしています。
AIの歴史と発展について、さらに詳しく知りたい点がありましたら、お聞かせください。
LLMの改善へのアプローチ
あなた:
あなたが最後にふれてくれた新しいアプローチについて教えてください.やはりハルシネーションがあるうちは活用にも限界があると感じます.パターンのベクトルのみに依存するのではなく、意味ないし論理的一貫性に該当するものがアルゴリズム的にシミュレートされている必要があるのではないでしょうか.
Claude:
ご質問ありがとうございます。新しいアプローチについて、特にハルシネーション(幻覚)の問題と意味や論理的一貫性の重要性に焦点を当てて説明いたします。
ニューロシンボリックAI: このアプローチは、ニューラルネットワークの学習能力と記号論理の解釈可能性を組み合わせようとしています。例えば、DeepMindの「Differential Neural Computer」や、IBMの「Neuro-Symbolic Concept Learner」などがあります。
知識グラフと言語モデルの統合: 大規模言語モデルに構造化された知識を組み込むことで、より正確で一貫性のある回答を生成しようとする試みです。例えば、GoogleのFLANやMicrosoftのRetroは、この方向性の研究です。
因果推論を取り入れたAI: 相関関係だけでなく、因果関係を学習・推論できるAIの開発が進んでいます。これにより、より人間らしい推論や意思決定が可能になると期待されています。
ハルシネーションの問題と論理的一貫性について:
おっしゃる通り、現在の大規模言語モデルにはハルシネーションの問題があり、これが実用化の大きな障壁となっています。この問題に対処するためのアプローチとしては:
外部知識の活用: 言語モデルの出力を、信頼できる外部データソースと照合することで、情報の正確性を向上させる試みがあります。
自己一貫性チェック: モデルに自身の回答を評価・修正させる機能を組み込む研究が進んでいます。
論理推論の組み込み: 自然言語処理に論理推論を組み込むことで、より一貫性のある回答を生成しようとする試みがあります。例えば、Stanfordの研究グループによる「Chain-of-Thought Prompting」などがこの方向性の研究です。
マルチモーダルAI: テキストだけでなく、画像や音声など複数のモダリティを組み合わせることで、より豊かな文脈理解と正確な情報生成を目指しています。
これらのアプローチは、パターン認識だけでなく、意味や論理的一貫性をアルゴリズム的にシミュレートすることを目指しています。しかし、人間レベルの理解と推論を完全に再現するにはまだ課題が多く、研究が続けられています。
この分野は急速に発展しており、新しい手法や成果が日々報告されています。特に興味のある部分がありましたら、さらに詳しく説明いたします。
あなた:
そうですね.人間の思考はそもそも論理的に一貫したものではありません.その点ではtransformerモデルはたいへん大きな進歩だったと受け止めています.ですが、私たちのナレッジを支援していただくにはやはり間違った回答は避けたいケースが多いのです.こうした現在のLLMの問題を克服するアプローチをそのコンセプトごとにいくつかに分けて、代表的な研究機関とリーダーたちをリストしてくださいますか? 企業、研究機関、個人を問いません.技術的なアプローチがなされていないコンセプトレベルのものについても知りたいです.
LLM改善の代表的コンセプトと研究リーダー
Claude:
ご質問ありがとうございます。LLMの問題を克服するためのアプローチを、コンセプトごとに分類し、代表的な研究機関やリーダーたちをリストアップいたします。
LLM改善アプローチと主要な研究者/機関
1. 知識統合と外部知識の活用
コンセプト: LLMに構造化された知識を組み込み、外部データソースと連携させることで、情報の正確性と一貫性を向上させる。
主要な研究者/機関:
- Google AI (FLAN, T5)
- Allen Institute for AI (AI2)
- Stanford University (Denny Britz, Christopher Manning)
- Meta AI Research (REALM)
2. 論理推論と因果推論の統合
コンセプト: 自然言語処理に論理推論や因果推論を組み込み、より一貫性のある回答と人間らしい推論を実現する。
主要な研究者/機関:
- Yoshua Bengio (Mila, University of Montreal)
- Judea Pearl (UCLA)
- DeepMind (Causal Reasoning Team)
- MIT (Joshua Tenenbaum)
3. マルチモーダルAI
コンセプト: テキスト、画像、音声など複数のモダリティを組み合わせ、より豊かな文脈理解と正確な情報生成を目指す。
主要な研究者/機関:
- OpenAI (DALL-E, GPT-4 with vision)
- Google Brain (Multimodal Deep Learning Team)
- MIT-IBM Watson AI Lab
- Stanford Vision Lab (Fei-Fei Li)
4. 自己モニタリングと自己修正
コンセプト: AIモデルに自身の出力を評価・修正する能力を持たせ、エラーや矛盾を減らす。
主要な研究者/機関:
- DeepMind (Recursive Self-Improvement Team)
- OpenAI (InstructGPT, GPT-4)
- Stanford University (Percy Liang)
- University of Washington (Yejin Choi)
5. 倫理的AI設計
コンセプト: AIシステムに倫理的考慮を組み込み、有害な出力や偏見を最小限に抑える。
主要な研究者/機関:
- Stuart Russell (UC Berkeley)
- Max Tegmark (MIT, Future of Life Institute)
- Oxford University’s Future of Humanity Institute
- Alan Turing Institute (Ethical AI Team)
6. 説明可能AI (XAI)
コンセプト: AIの意思決定プロセスを人間が理解できるようにし、透明性と信頼性を向上させる。
主要な研究者/機関:
- DARPA (Explainable AI Program)
- IBM Research (AI Explainability 360)
- Cynthia Rudin (Duke University)
- Rich Caruana (Microsoft Research)
7. 連続学習と適応型AI
コンセプト: 新しい情報や状況に適応し、継続的に学習・更新できるAIシステムを開発する。
主要な研究者/機関:
- Google Brain (Continual Learning Team)
- DeepMind (Learning to Learn Team)
- Jeff Clune (OpenAI)
- Sebastian Thrun (Stanford University)
8. 省資源AIとエッジコンピューティング
コンセプト: より少ない計算資源とエネルギーで効率的に動作するAIモデルを開発する。
主要な研究者/機関:
- Song Han (MIT)
- Qualcomm AI Research
- NVIDIA (Edge AI Research)
- Apple (Core ML Team)
これらのアプローチは、現在のLLMが抱える問題(ハルシネーション、論理的一貫性の欠如、説明可能性の不足など)に対処するための様々な方向性を示しています。多くの研究者や機関が、これらのアプローチを組み合わせたり、新しいアイデアを探求したりしています。
特に興味深いのは、これらのアプローチが単にLLMの性能を向上させるだけでなく、AIシステムの信頼性、透明性、倫理性、効率性なども考慮している点です。
この分野は急速に発展しており、新しい研究成果や革新的なアイデアが日々生まれています。特定のアプローチや研究者についてより詳しい情報が必要でしたら、お知らせください。
LLM改善アプローチと主要な研究者/機関
あなた:
隣接する研究領域で、特に今挙げていただいたようなアプローチに影響しそうなものがあればリストしてください.
Claude:
はい、LLMの改善に影響を与えうる隣接研究領域について説明いたします。これらの分野は、直接的にLLMを扱うわけではありませんが、その発展に重要な示唆を与える可能性があります。
LLM改善アプローチと主要な研究者/機関
9. 隣接する影響力のある研究領域
a. 認知科学と脳科学
コンセプト: 人間の思考プロセスや脳の機能を理解し、それをAIシステムに応用する。
主要な研究者/機関:
- Stanislas Dehaene (Collège de France)
- Nancy Kanwisher (MIT)
- Jeff Hawkins (Numenta)
- UCL Gatsby Computational Neuroscience Unit
b. 量子コンピューティング
コンセプト: 量子力学の原理を利用して、従来のコンピューティングでは困難な問題を解決する。
主要な研究者/機関:
- IBM Quantum
- Google Quantum AI
- Microsoft Quantum
- D-Wave Systems
c. 複雑系科学
コンセプト: 複雑な相互作用を持つシステムの振る舞いを研究し、AIの適応性と頑健性を向上させる。
主要な研究者/機関:
- Santa Fe Institute
- Melanie Mitchell (Portland State University)
- Stuart Kauffman (University of Pennsylvania)
- New England Complex Systems Institute
** d. 言語学と計算言語学**
コンセプト: 言語の構造と使用に関する深い理解を通じて、より洗練された自然言語処理モデルを開発する。
主要な研究者/機関:
- Noam Chomsky (MIT)
- Steven Pinker (Harvard University)
- Christopher Manning (Stanford University)
- Association for Computational Linguistics
e. 哲学(特に認識論と論理学)
コンセプト: 知識の本質や推論の原理に関する哲学的洞察を、AIシステムの設計に応用する。
主要な研究者/機関:
- Daniel Dennett (Tufts University)
- Luciano Floridi (Oxford Internet Institute)
- Nick Bostrom (Future of Humanity Institute, Oxford)
- Stanford Encyclopedia of Philosophy
f. 情報理論
コンセプト: 情報の定量化、伝送、圧縮に関する理論を、AIモデルの効率化と改善に応用する。
主要な研究者/機関:
- David MacKay (posthumous, University of Cambridge)
- Yann LeCun (NYU, Meta AI)
- IEEE Information Theory Society
- Claude Shannon Institute (posthumous influence)
g. 社会心理学
コンセプト: 人間の社会的行動や意思決定プロセスの理解を通じて、より自然な対話システムや社会的AIを開発する。
主要な研究者/機関:
- Robert Cialdini (Arizona State University)
- Daniel Kahneman (Princeton University)
- Association for Psychological Science
- MIT Media Lab (Human Dynamics group)
これらの隣接領域は、LLMやAI全般の改善に間接的ながら重要な影響を与える可能性があります。例えば:
認知科学と脳科学の知見は、より人間らしい推論や学習能力を持つAIの開発に貢献できます。
量子コンピューティングは、AIモデルの学習や推論プロセスを劇的に高速化する可能性があります。
複雑系科学の概念は、大規模なAIシステムの挙動を理解し、制御するのに役立つかもしれません。
言語学の深い知識は、より自然で文脈に適したテキスト生成に寄与する可能性があります。
哲学的な洞察は、AIの倫理的設計や意思決定プロセスの改善に活用できるかもしれません。
情報理論は、より効率的なモデル構造や学習アルゴリズムの開発に貢献する可能性があります。
社会心理学の知見は、AIと人間のより自然なインタラクションの設計に役立つかもしれません。
これらの領域からの知見を統合することで、より洗練され、人間の認知プロセスに近いAIシステムの開発が期待できます。特に興味のある領域や、さらに詳しく知りたい点がありましたら、お知らせください。
あなた:
ありがとうございます.